先日の木曜日、大学の母校へ行ってきました。昨年9月の同窓会以来です。その時ちょうど工事中だった4号館の保存改修についてのシンポジウムが課外講座として開かれました。なつかしい教室で在校生に混じって聴講していると思わずタイムスリップしたようでした。
母校の武蔵野美術大学キャンパス計画は、建築家・故芦原義信設計によるものです。校舎も彼の設計によるものが数多くあるのですが、その中でも4号館はとても魅力的な建物です。1階部分がピロティになっており、らせん階段で2階へ登ります。登ると空中中庭に出ます。そこを囲うように教室(アトリエ)が配置されており、それらを一つの「むら」単位として9.6mグリッドのモデュール上に構成されています。主に油絵学科系のアトリエとして使われていました。(実は(mama)の学生時代の教室です。)2003年、アトリエ増床の必要性、建物の老朽化などの理由で、建替の計画が提起されました。しかし、この場所での建替で必要な床を確保する建物をシミュレーションすると、キャンパスの核である中央広場がその建物により日影になるなど悪い影響があり、キャンパスを代表する記念碑的意味合いの濃い貴重な建築物を「今、壊すべきではない」と強い声が上がり、同年11月から「保存・改修」が検討され始め、翌2004年3月「保存・改修」が決定されプロジェクトが進行していったようです。
シンポジウムでは、今回の保存・改修の解説のほか、1964年の設計のころの話、油絵学科教授の使用者からの話、今回の保存改修とキャンパス全体の計画とのかかわりなどが語られ、大変有意義な時間をすごしました。
シンポジウムの最後には、DocomomoJapanの事務局より、この4号館がDocomomoに登録されたといううれしい報告もありました。
最近のコメント