昨年の10月から仕事で石川県の松任を訪れています。今回で5回目となり、いつもは日帰りでしたが、仕事のスケジュール上2日間かかるため、一泊することになりました。仕事は順調に終え、いつもより時間に余裕があったので駅周辺を散策することができました。松任城址公園の大樹はなかなかのもので、その支柱の太さ、長さは圧巻。薄めの緑で、小さめの葉なので天蓋の中も明るくとても気持ちのいい空間でした。「千代女の里俳句館」は、江戸時代松任の地で活躍した俳人「千代女」を生んだ白山市民がつちかって来た歴史をふまえ、俳句を通した交流・体験活動のための拠点施設として設置されたものだそうです。千代女をはじめ多くの俳人たちについて映像や音などを活用して紹介するコーナーが常設され、句集ライブラリー、句会ができる畳敷の部屋などが整備されていました。市内には11ヶ所の俳句ポストが設置されていて、またサイトでも投句の募集をしているそうです。最後に電車を待つ20分ほどの時間で「松任ふるさと館」を訪れました。明治、大正、昭和初期、松任で金融、米穀、倉庫業で活躍した吉田茂平氏の私邸を市が譲り受け文化施設として開館しているもの。見所の回遊式庭園はちょうど花など彩りが少ない時期でしたが、連休の頃はかなり見応えのあるものになるのだそうです。これから約10ヶ月ほど通うことになるので、いろいろな季節でまた訪ねてみようと思っています。
千代女は松任の表具屋の娘、有名な「朝顔に釣瓶とられてもらい水」「とんぼ釣り今日はどこまでいったやら」のほか「落ち鮎や日に日に水のおそろしき」など当時としては新進気鋭の俳人だったことがその作品からもうかがえます。
投稿情報: Takeo | 2009-04-20 09:43
takeo様
館でもらったリーフレットに「享保4年(1719)17歳8月24日、芭蕉高弟、美濃の各務支考は、松任で千代女に会う。支考はこのとき「あたまから不思議の名人」と称賛する。」とありました。また、20歳で沢露川の俳諧撰集「北国曲」に取り上げられたそうで、若い頃からその才能が認められていたんですね。
投稿情報: a | 2009-04-21 06:55